工場内で起こる劣化現象例
1.錆

手すりにできた錆

外壁にできた錆
工場は鉄骨構造や鉄製の設備・配管が多く、水や酸素と反応しやすいため錆が発生しやすい環境です。さらに、水を使用する工程や湿気の多い環境、屋外の雨・結露などにより金属表面に水分が付着し、錆の進行が加速します。化学工場や食品工場では薬品や塩分が、熱処理や溶接を行う工場では高温が塗膜を劣化させ、腐食を促進します。加えて、広い敷地にある屋外タンクや配管、鉄骨は雨風や紫外線にさらされるため、防錆対策が欠かせません。
2.腐食

外壁の腐食

外壁にできた腐食
1.のように発生した錆は、金属表面を保護するどころか内部まで劣化を広げる原因となります。鉄の錆はもろく剥がれやすいため、ひび割れや剥離部分から水分や酸素がさらに侵入し、腐食がどんどん進行します。特に塩分や薬品が付着している環境では電気化学反応が活発になり、腐食のスピードが加速します。さらに、劣化した塗膜が金属を守れなくなると、錆が再び発生し悪循環が止まらなくなります。そのため、工場では錆の早 期発見と防錆塗装などの定期的なメンテナンスが非常に重要です。
3.労働災害実例
例1.槽内の清掃作業が終了し、槽内の横を通行したところ床面と長靴の裏が濡れており、滑って転倒
例2.調理室へ走っていく際に、床面が濡れており足を滑らせ転倒
例3.移動するため椅子か ら立ち上がった際に、足が滑って転倒
厚生労働省より
4.夏季・冬期の工場内温度

断熱塗料を塗っていない工場の夏

断熱塗料を塗っていない工場の冬
断熱・遮熱塗料を塗っていない工場は夏は外気温+5度~10度、冬は暖房無しの場合約5~10度になり作業者が集中して作業しずらい環境であることが分かります。
厚生労働省では夏は28度以下、冬は18度以上を推奨しています。
5.雨漏れ

雨漏れの初期症状:シミ

腐食して穴が開き雨水が侵入
工場の雨漏れは、屋根やシーリング、防水層の劣化、排水口の詰まり、設備まわりの防水不良などが原因で発生します。雨水が侵入すると、機械の故障や製品の品質不良、建物の腐食やカビの発生を招きます。さらに、 湿気や悪臭、滑り事故など作業環境も悪化し、生産ライン停止による損失コストにもつながるため、早期対策が重要です。